犬のしつけの基本

犬は叱らないとダメか?

犬のしつけにおける過去の情報は、迷信や思い込みや嘘や、勘違いなどにあふれています。

そうした過去の情報は、飼い主を間違った方向へと導くばかりか、
正しい道へ進もうとする際に、飼い主の目の前の障害となって立ちふさがります。

犬の仕事に従事する人たち(訓練士やペットショップ店員、獣医師、トリマーなど)が口にすることにも、
「正しくない情報」、「正しいかどうかわからない情報」が、たくさんあります。

例えば、叱るときは母犬がやるように、
「口をつかめ」、「首筋をつかんで持ち上げろ」、「仰向けに押さえつけろ」と、
アドバイスする人も少なくありません。

しかし、こうした行為を実際に母犬がやっているとする、信頼に足る調査報告はありません

新しい飼い方にふさわしい、新しいしつけを進めるために、
まずは過去の情報を1回捨て去ることも大事になります。

ある犬の雑誌のアンケート結果で、最も多い悩みが、
「どんなに叱っても直らない」だったことがありました。

その雑誌は創刊以来「しつけの基本は褒めること」というスタンスで、誌面作りを続けていました。
毎号、どう叱るかではなく、どう褒めるかを、伝え続けていたわけです。

にもかかわらず、一番の悩みは「どんなに叱っても直らない」だったのです。

このアンケート結果で分かるのは、「しつけ=叱ること」という考え方が、
どれほど飼い主たちの頭にこびりついていて取れないか、表していると思います。

確かに人間の場合は「叱りもせず甘やかしている」では、
「しつけができていない」ということになるでしょう。

犬の場合も「甘やかし」は、しつけにマイナスです。
しかし、叱ることに関しては人間の子供と同じようにはいかないのです。 

人間の子供には、叱られた理由を言葉で理解させることができます。
今度からはどうしたらいいのか、言葉で伝えられます。

しかし、犬にはそれらができません。

つまり、どんなに叱っても、なぜ叱られたか、どうすればいいのかを
犬に伝えることはできない
のです。 

「いくら叱っても直らない」という理由はここにあります。

犬を叱るのは

確かに昔は、犬を叱ってしつけていました。
叱る方法以外に犬に何かを伝える方法を、人間側が持ち得なかったのです。

ある時、「飼い主に本気で噛みつく犬」のことを考えてみたら、
100%叱られてしつけられてきた犬たち、ということに気づきました。

ポイントを押えた叱る方法を理解していなければ、
「叱って直る」可能性よりも「叱って噛みつかれる」可能性のほうがあるのかもしれません。

叱ることを極力しなくても、犬に好ましい行動、好ましくない行動は教えられます。
現在では、そうした方法がしっかり確立されているのです。

「犬は叱らないとダメ」という考えは一旦捨てましょう。

もちろん、しつけをしていくうえで、叱ることはあり大事です。
叱るしつけ方はしっかりポイントを押さえなければならないのです。

飼い主が叱っているつもりでも、犬にとっては褒められていると思うこともあるので、
ポイントを押さえず叱ることは、逆効果になり得るのです。

そんなに叱らなくても、犬のしつけはうまくできるでしょう。

犬はあなたが思っている以上に賢いでしょう。
ただ、どこまでいっても犬なので、人間の言葉は理解できません。

安易に叱ることは犬のためにならないことも多いのです。
黙って無視をし、犬に考えさせることも必要なのです。

犬ってこう、犬はこうしてしつける、といった今までの情報になんと間違いが多いことか。
間違いは、思い込みであったり、迷信であったり、勘違いや嘘、
常識と信じられていたりと、様々です。

10のうち9正しく接していても、1つでも間違った接し方をしていれば、
飼い主と犬との関係は悪いものなってしまう
かもしれません。

「犬は叱らないとダメ」はその代表格です。

関連記事

  1. 犬が同じことを繰り返す理由

  2. フードを使ったしつけでの注意点

  3. 褒めてしつける効果的な方法

  4. ホールドスティールで犬の服従本能を強化

  5. 覚えさせるには体験させるしかない

  6. 犬の習性や本能を理解する

PAGE TOP