犬のしつけの基本

人間と犬の脳はどう違うのか?

犬のしつけにおける原理、原則を考える際、
犬の脳には何ができて、何ができないのか、それらを知ることが重要です。

犬は私たちと同じほ乳類です。脳は脊髄の前方部分に存在します。

小脳も大脳も存在します。大脳の脊髄に近い方から、
爬虫類の脳(古皮質)、旧ほ乳類の脳(旧皮質)、新ほ乳類の脳(新皮質)と、
階層を作っているのも同じです。

脳の基本的なメカニズムは、ほ乳類はほとんど同じなのです。
学習に関わる脳のメカニズムも、ネズミから人間まで、ほとんど変わりません。

ここでいう学習とは、経験によりある行動の頻度を高めたり(あるいは低めたり)、
その行動をパターン化していったり、その行動の反応速度を速めたり(あるいは遅くしたり)
することをいいます。

学習は記憶と密接に関わっています。
記憶にかかる脳の重要な部位「海馬」は、ネズミも、犬も、猿も、人間も、
みんな持っているのです。

さらに、好きとか、嫌いとか、怖いとか、楽しいとか、
情動を司る「扁桃体」という部位も有しています。

モチベーション(やる気)にかかわる「側座核」という部位も、ネズミから持っているのです。

そうなのです。
情動を刺激し、やる気にさせると、記憶が高まるのです。

人間と犬の脳はどう違う

反復練習を行うことで学習が進む。結果的にいいことが起きたことの頻度を高める。
こうした学習のプロセスは、犬も人間もそう変わりがないのです。

しかし、大きな違いもあります。

それは、大脳新皮質の量です。
人間だけが大脳新皮質の量(特に前頭前野、前頭葉)が、圧倒的に多いのです。

大脳新皮質の量が圧倒的に多いがゆえに、人間だけが抽象的な事柄の理解が得意になっているのです。
人間だけが言葉を操れ、数を理解し、時間という概念を持てるということです。

人間でない犬は言葉を操れず、数を理解せず、時間という概念も持ち得ないのです。

ですから、彼らに言葉で伝えても、昨日のことを持ち出しても、
明日のために頑張らせようとしても、全く無駄ということです。

過去を振り返らないし、後悔も反省もしない。

言葉を操ることができない犬は、体験したこと、
その場にいて自分で目にした(視覚的な体験)ことのみ、学習していく
のです。

原理、原則を考える際に必要な犬の脳の知識は、以上です。

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