犬のしつけの基本

犬が同じことを繰り返す理由

犬は学習パターンを理解する」でお話しした内容で、
学習パターンAとDについて説明します。

いいことがあるからまたやる

まずは、学習パターンAついてです。

ネズミから犬から人間まで、ある行動の結果いいことが起きれば、
またその行動を取ろうとします。
(その行動の頻度は高まる。)

1つ例をあげましょう。

気が付けばもうとっくにお昼の時間は過ぎています。
お腹もすいています。さあ、どの店に入ろうか。

おいしいかどうかの確信はありませんが、とにかくある店に入ります。

清潔な感じです。注文もすぐに取りに来ました。
店員の笑顔もよく、それほど待たされずに料理も出てきました。

味も悪くなく、お値段もお手頃。店を出るときの頭の中はハッピーな状態に違いありません。

ある店に入った結果、いいことが起きた。
結果的にいいことが起きたわけですから、その店に入るという行動の頻度は高まります。
繁盛する店とは、そういうものです。

では、ネズミではどうでしょう。
ネズミに関しては、次のような実験で確かめられています。

箱の中に入れ、箱の内側にはレバーをつけておきます。
ネズミがレバーに触れたら、フードが出てくるという仕掛けです。

ネズミ 箱 実験

最初、ネズミはレバーに触れればフードが出てくるということを知りません。

しかし、箱の中をうろちょろしているうちに、時々フードにありつける。
もちろん、それはレバーに体が触れたからに他なりません。

すぐには気づきませんが、やがて気づくわけです。

レバーに触れた結果、いいことが起きた。
結果的にいいことが起きたわけですから、レバーに触れるという行動の頻度は高まります。

もちろんレバーに触れ、フードを食べるスピードには限界がありますので、
レバーに触れる行動の頻度はある一定のところで定着します。

こうした行動パターン(学習)は、ほ乳類共通の脳の部分でなされています。
ですから、ネズミから人間まで同じということです。

もちろん脳の基本構造が変わらない犬も、同じということです。

追い払えたから、次もこの手でいく

ある行動の頻度を高めるパターンには、もう一つあります。

ある行動の結果、嫌なことがなくなれば、その行動の頻度は高まる、というものです。
学習パターンDです。

まずは、人間の例です。

頭が痛いときにある頭痛薬を飲んだら、痛みが和らいだ。
ある頭痛薬を飲んだ結果、頭が痛いという嫌なことがなくなったわけですから、
頭が痛くなれば、その頭痛薬をすぐ飲むようになります。

ネズミの実験では、今度は箱の床に、電気を流します。
ネズミはビリビリしびれる状態になっています。

仕掛けはそれだけではありません。レバーに触れると、
数秒間電気を流すのを止めるようにするのです。

ネズミは先の実験と同様に、やがてレバーに触れるとビリビリが止まることに気づきます。

レバーに触れるという行為で、ビリビリする嫌なことがなくなる。
結果的にレバーに触れるという行動が高まる、ということです。

ネズミから人間まで、これもほ乳類共通の脳の部分がなせる技で、当然、犬も同じなのです。

ただ、この原理を意図的に使って行うトレーニングは、
家庭犬においてはやるべきではないでしょう。

吠えるとどうなるか学習

なぜなら、事前に嫌なことを起こす必要があるからです。
あなたの犬に嫌な刺激を与える、犬からすると多大なストレスを与えられることになります。

しかしながら、犬は多くの行動をこの学習パターンDによって勝手に学習してしまいます。
それも飼い主にとって問題となる行動を主に、です。

他の犬に吠えたてるのも、ブラッシングや爪切りなど嫌なことをされそうになると噛みつくのも、
すべてこの学習パターンDによるものです。

吠えたてれば相手がいなくなる、すなわち吠えた結果嫌なことがなくなったのです。

噛みつけばブラッシングも、爪切りも飼い主は諦める、
すなわち噛みつくことで、嫌なことがなくなっているのです。

飼い主が意図的にこの学習パターンDを使うのは避けるべきです。
しかし、犬は勝手にこの学習をして行動を学んでしまう。

飼い主はそのことを深く理解することです。

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