犬のしつけの基本

犬の問題行動をなくす原理

犬は学習パターンを理解するでお話しした内容で、
ここでは、学習パターンBとCについて説明します。

嫌なことが起きたから、もうやらない

まずは、学習パターンBついてです。
いわゆる「罰を与える」、「叱る」というのが、この学習パターンBに当たります。

まず、ネズミの実験で、このパターンBをするとどうか確かめましょう。
まず箱の中にネズミを入れます。

ネズミ 実験 箱

レバーに触れればエサがもらえるので、やがてネズミはレバーを頻繁に触れるようになります。

ここで、今度はレバーに触れたとき、電気を床に流すようにします。

レバーに触れるとビリビリする=嫌なことが起きるので、
すぐにネズミはレバーに触れなくなります。

しかし、これには必要な条件が3つあります。

まずは電気ショックの強さ。弱いと効果がなく、強すぎると死んでしまう可能性もあります。
効く強さでバシッと流さないといけないのです。

効かなければ少しずつ強くしていけばいい、とお考えになる方もいると思いますが、
少しずつ強くしていくとショックに慣れてしまい、結果電気ショックに強いネズミになるのです。

次にタイミングです。
効く強さがわかったとして、レバーに触れてからどのタイミングで電気ショックを与えるか。

3秒を超えてしまうと効果は見られません。
犬に関して言えば、罰のタイミングは即座というのも同じことです。

次のこともわかっています。

効く強さがわかって、即座に電気ショックが探せても、
毎回必ずその「嫌なこと」が起きないと、その行動は減らないのです。

同じ行動に対して、罰が下されたり、下されなかったりすると、
その行動はいつまで経っても減らないのです。

効果的な強さであること、即座に下されること、必ず起きること。
この3つの条件が学習パターンD(罰)には必要です。

飼い主が犬を罰したり、叱ったりするときには、
ほとんどこの3つの条件が満たされていません。

なので、いつまでも犬の行動は変化しないのです。

そして、犬に罰を与える際のポイントは、
「飼い主がやったと思わせない」ことです。

なので、この4つの条件を意識し、学習させていきましょう。

天罰式叱る

飼い主がやったとわかれば、飼い主の目を盗んでやるようになりかねません。
なので、天罰が下ったように思わせるため、
犬を見ずに低く大きな声を出すや、雑誌を床に叩きつけるなどすることです。

いいことが起きないから、もうやらない

そして、学習パターンCついてです。
「ある行動の結果、いいことがなくなると、その行動は減っていく」です。

まず人間で考えてみましょう。
テレビのリモコンのスイッチを押せば、通常はテレビがつきます。
いいことが起きるわけです。

ところがスイッチを押しても、テレビはうんともすんとも言わない、
となればあなたはどういった行動を起こしますか?

きっとスイッチを何度も押すことでしょう。
リモコンの角度を変えたり、叩いてから押したり、でも結局つかなければ
ある時点でスイッチを押すのをやめます。

リモコンのスイッチを押すという行動の結果、
テレビがつくという「いいこと」が起きなければ、
最終的にスイッチを押す頻度は減るということです。

ネズミではどうでしょう。

レバーに触れるとフードが出てくる箱に入ってもらいます。
レバーに触れる行動を学習したところで、今度はレバーに触れても一切フードを出さないようにします。

ネズミの多くは、レバーに触れる頻度を一度高めて、その後触れるのをやめていきます。

ネズミから人間まで、反応は同じなのです。
犬も同様の行動変化を確認できます。

さて、この行動パターンCで重要なのは、減らしたい行動から、
犬がどんな「いいこと」を得ているのか?その「いいこと」を見つけることです。

飛びつく犬にとって何がいいことなのか?
私の知る限りは、飛びつきに対するあらゆる飼い主の反応が
「いいこと」になっているようです。

犬を褒める

「あーら可愛い!」「ただいま!」「いいこね!」など言いながら撫でるのは、
犬にとってこの上なくいいことです。

「ダメ!」って叱るのも、「座れ!」と命令するのも、
かまってほしい犬にとっては「いいこと」になります。

また、叱り方によってあなたは叱っているつもりでも、褒められていると勘違いすることも多いです。

ではどうすればいいのか。
飛びついている間は、徹底的に無視をすることです。

飛びついても何もいいことが起きなければ、犬は必ず飛びつきをやめてきます。
パターンBの叱る、罰を与える方法よりも、このパターンCを意識したほうがいいでしょう。

犬のある行動を減らしたいときは、まずこのパターンCを使っていきましょう。

ただ、一時的に行動がひどくなるように感じられること、
時間がかかることもあるので、この2点はあらかじめ理解しておきましょう。

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