犬のしつけの基本

生まれつきとか、犬種のせいではない

生まれつきとか、犬種のせいにしないこと

「生まれか?育ちか?」これは、よく昔から議論されています。
結論から言えば、どちらか一方の影響しか受けないわけでは決してありません。

遺伝子に組み込まれた情報の中には、環境からの刺激によってスイッチがオンになるものが、
数多く存在することがわかっています。

「生まれ」と「育ち」、両者は「or」ではなく、「and」または、
「+」「×」でくくるべきものといえるでしょう。

例えば、生まれつき少し怖がりの犬がいるとします。

しかし、この犬をさらに怖がりにしてしまうか、怖がる対象を減らしていけるかは、
生まれた後の経験、つまり環境からの影響によるところが大きいのです。

犬種による特徴も同様です。その特徴は傾向に過ぎません。

例えば、ビーグルは吠えて獲物を追いかける気質を高めるようにブリーディングされています。
そうした傾向が生まれつきあるのです。

しかし、そうした傾向を伸ばすのか、抑えていくのかは、生まれた後の経験次第です。
つまり、どう学習していくかによるのです。

吠えやすい傾向にある犬は、「試しに吠えてみる」ことが当然他の犬よりも多いです。
吠えた結果飼い主が振り返った、または吠えてみたら怪しい相手がいなくなった。

いずれも吠える傾向を高めます。
このことについては、こちらの「犬の学習パターンA・D」で説明しています。

無駄吠えに悩む飼い主の多くが、
「飼い始めはこんなに吠えなかったのに」と言います。

それは、飼い主と暮らす環境から、吠えることを学習してしまったことに他なりません。
環境によって学んでいく行動は、環境次第で学ばせないようにもできます。

傾向を伸ばしていくのも、伸ばさずおくのも、
しつけや環境設定を含めた、飼い主次第ということです。

環境次第

吠える、飛びつく、噛みつく、引っ張る、興奮する。

犬はそもそも大なり小なり、適切なしつけもせず、環境設定にも配慮しなければ、
人間にとって好ましくない行動ばかりする、問題犬になる傾向を持って生まれてきているのです。

もしあなたの目の前にいる犬が、好ましくない行動ばかりする問題犬であるのなら、
それは生まれつきでも、犬種のせいでもなく、

しつけを怠ってきた、もしくは間違ったしつけをしてきた飼い主、
つまりあなたのせいと理解してください。

できそうなことを積み重ねる

何かを教えるときに、焦りは禁物です。
例えば、人間の子供に足し算を教えるときのことを考えてみましょう。

いきなり3桁同士の足し算を教えません。まずは1桁の足し算を教えます。
少しできたからといって、すぐに2桁の足し算には進みません。

1桁の足し算のドリルを毎日のようにやらせます。
ドリルというのは、できそうな問題しか出てきません。

5分もかからないで全部できるから、子供たちも嫌になりません。その積み重ねです。

同じような問題を繰り返し解くことで、脳に同じような情報を入れます。
同じような情報が繰り返し入ってくることで、脳は1桁の足し算の回路をしっかり作っていくのです。

1桁の問題が簡単にできるようになったら、次の段階へと進めていく。
そうやって、2桁、3桁とレベルアップしていき、何か月もかけて、足し算全体を理解させるわけです。

現時点でできないことを、やがてできるようにするためには、
できそうなことをコツコツ積み重ねるしかないのです。

人間の学習においては当たり前のことです。

しかし、こと犬のしつけになると、なぜかできないことを犬にやらせようとしてしまいます。

家の中で伏せが数回出来たその程度で、公園や病院の待合室など、
どこででも伏せをやらせようとします。

「家でできたのだから、ここでもできるはず」と要求し、
できないと「できるはずなのに私の言うことを無視している」と、
無理やりでもやらせようとするわけです。

犬のお座り

家の中で数回出来た程度の伏せは、先の足し算の例で言えば、
1桁の足し算が数回できた程度に過ぎません。

公園や病院の待合室などの伏せは、3桁の足し算、
いや犬によっては微分積分くらいに難しくなっているかもしれません。

人間の子供たちに、算数のできそうもない問題ばかり出して、
無理やりやらせたらどうなるでしょう。

算数なんか、大嫌いになるでしょう。

犬も同じです。できないことは、決して要求しないことです。

できそうなことの積み重ね。それでしか、難易度を高めていくことはできないよ理解しましょう。

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